後期臨床研修(南斗六星研修ネット) CLINICAL TRAINING
Ⅰ「南斗六星研修ネットひろしま(広島中山間地病院連携地域医療研修)」とは
地域医療は地域でキャリアアップ
平成16年度から新医師臨床研修制度が開始されました。この研修制度の基本理念は、医師としての人格を涵養し、将来専門となる分野にかかわらず、医学および医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷または疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身につけることです。この研修制度によって、どのような専門分野に進む医師も、最低限の基本的な診療能力を身につけることができます。
初期研修終了以後はさらにステップアップすべく、専門的能力も身につけなくてはなりません。地域医療を担うプライマリ・ケア医はまさに専門医ですが、プライマリ・ケアは生涯を通じてさまざまな臨床現場において常に研鑽を積んでこそキャリアアップが可能です。地域で提供できる診療環境はさまざまであり、自らの診療能力の幅がなければ最善の医療を提供することができません。
このような観点から、広島県中山間部の広大な地域を日常の診療圏として共有する、10の地域医療の拠点病院が連携し地域医療研修ネットワーク「南斗六星研修ネットひろしま」を構築いたしました。
南斗六星研修ネットひろしま研修管理委員会
委員長
中西 敏夫(市立三次中央病院顧問)
委員
山口 清次(公立邑智病院長) 郷力 和明(庄原市立西城市民病院長) 杉山 英二(JA吉田総合病院長)
土手 慶吾(広島市立安佐市民病院長) 結城 常譜(安芸太田病院長) 中島 浩一郎(庄原赤十字病院長)
原田 亘(神石高原町立病院長) 平林 直樹(安芸太田病院事業管理者) 安信 祐治(三次地区医療センター病院長)
中井 訓治(府中市立府中北市民病院長) 永澤 昌(市立三次中央病院長)
事務局
広島市立安佐市民病院 庶務課
南斗六星の由来
みなさん、北斗七星は良く御存知と思いますが、南斗六星を御存知ですか?これは、射手座の和名です。研修システムの名称に南斗六星使った理由をお話しますと、ギリシャ神話に遡ります。ギリシャ神話に登場するアスクレーピオスは、死者までも生き返らせたほどの名医でした。アスクレーピオスのシンボルはヘビで、ヘビが巻きついた杖は世界中の医学に関係した組織のシンボルマークになっています。死者を生き返らせたことで「生老病死」の世界秩序を乱すものとみなされたアスクレーピオスはゼウスに殺されてしまいました。この名医アスクレーピオスの師匠がケンタウロス(半人半馬)の賢者ケイロンで、彼の星座が射手座すなわち南斗六星なのです。
南斗六星の名称には、この研修ネットが作成した研修プログラムを履修した研修医から、多くの名医が出て欲しいという願いが込められているのです。
Ⅱ若手医師の皆さんへ
南斗六星研修ネットひろしま(広島中山間地病院連携)について
広大な面積を擁する広島県北部の中山間地域は、若年者の都市部への流出による人口減少や生活交通の縮小・廃止、小規模・高齢者集落の増加のため無医地区が53地区に及び全国第2位の状況となっています。県内23市町の内、中山間地域の16市町が過疎地域に指定されており、この地域の病院の多くが深刻な医師不足に悩まされ、医療崩壊の危機に瀕しています。
県の取り組みとしては、第11次(平成23年度~27年度)広島県へき地保健医療計画が作成され、また平成23年7月には広島県地域保健医療推進機構が設立され、その趣旨は医師の地域偏在の解消のための配置調整や医師確保、人材育成等に総合的かつ機動的に取り組むことを掲げています。
このような現状の中、この地域の医療崩壊を食い止め、住民に安心して生活してもらえる地域医療を再生することを目的として設立主体を超えて、10病院のトップが集まり連携して行動することが平成23年3月8日に決議されました。この集まりが「広島中山間地病院長コンソーシアム」です。
この地域の医療提供体制の再生には、地域での若手医師の研修育成が不可欠であり、そのためには、研修医が将来の到達目標を設定することが可能で、かつ安心して従事できるサポート体制の整った研修環境の整備が必要です。さらに系統的で質の高い本格的な研修システムが渇望されています。
そのため、最初に取り組んだのが地域医療に根付いた医師研修システムの構築です。住民に安心して生活してもらえる地域医療を再構築するためには、研修を受ける医師に魅力のある研修システムの構築と、研修プログラムの作成が欠かせないと考えたからです。こうして誕生したのが「南斗六星研修ネットひろしま」であり、この研修ネットの研修管理委員会が十分な協議のもと自信を持って作成したのがプライマリ・ケア医、総合診療医及び各科専門医を目指す若手医師のための地域医療研修プログラムです。
将来、このプログラムに沿って成長した専門医が存分に活躍され、地域医療の再生に貢献されることを、メンバー一同祈念しています。
Ⅲ研修プログラムの方針及び特徴
当院の特徴
医師数74名(初期研修医含む)でお互いの顔がわかり、診療科の垣根が低く気兼ねなく相談できる風土があります。また、10年目以下の若い医師も多いのが特徴と考えます。後期研修・専門医研修をするために、修錬のために、専門指導医と直接の上級医との屋根瓦式の指導が行える陣容が整っています。
○学会研修補助・資格研修補助の予算をしっかり確保します。特に、自らの口演やチーム医療・委員会活動には制限なく全額を補助します。
○新しい医療機器の積極的な整備を行っています。またIT関連機器を豊富に揃えて救急と高度医療に対応しています。
○院内にWiFi環境を整備し、医師全員にiPadを貸与します。これによる電子カルテ閲覧ができるようにしています。
○地域医療・プライマリケア・専門科研修のいずれも、豊富な症例数を経験できます。
○研修室(医局付設)に5台のインターネット環境、ビデオ編集・ポスター作成も可能、無料で印刷できます。Web図書も豊富です。
○教育的活動を積極的に援助します。院内研修・カンファレンスも多く企画されているだけでなく、全国レベルの院外研修にも当院医師や他メディカルスタッフが講師として招聘されています。
医療施設概要 (平成30年4月現在 )
【診療科】
内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病・代謝内分泌内科、腎臓内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、麻酔科、歯科口腔外科、リハビリテーション科、放射線治療科、放射線診断科、緩和ケア内科、リハビリテーション科、リウマチ・膠原病科
【専門外来】
呼吸器外来、禁煙外来、スポーツ外来、乳腺外来、腹膜透析外来、リンパ浮腫外来、ストーマ外来、小児慢性疾患外来(耳鼻咽喉科)、頭頸部腫瘍外来、甲状腺腫瘍外来、妊婦教室、いきいき広場、母乳外来、骨盤ケア外来、慢性外来(小児科・皮膚科)、乳児健診、予防接種、心臓外来、緩和ケア外来
【主な医療機械】
医療情報システム:電子カルテシステム(富士通GX)、PACS
画像診断装置:PET-CT、放射線治療装置(IMRT)、核磁気共鳴断層撮影装置(3.0T-MRI)、マルチスライスCT320列、核医学診断装置(RI)、血管造影撮影装置(DSA)2台、乳房X線撮影装置、X線TV装置(DR)3台、パノラマX線撮影装置、デジタルX線画像処置装置(CR)、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)
その他:電子内視鏡システム 、生化学自動分析装置、総合血液学検査装置
【病床数】
一般350床(内53床は地域包括ケア病棟、4床は2階・ICU病棟)
【主なデータ(平成30年度)】
1日平均入院患者数:271人(病床稼働率:78.0%)
1日平均外来患者数:695人
平均在院日数(一般):一般病棟 13.5日 地域包括ケア病棟 21.6日
救急外来件数(年間):11,055件
手術件数:2,679件
分娩数:562件
病院のアピールポイント ~教育・研修に病院あげて取り組んでいます~
当院の基本理念に,「地域を担う医療人の育成」があります。学会研修補助・資格研修補助の予算をしっかりとるなど,教育・研修に病院あげて取り組んでいます。
広島市街より車で1時間(70km)東北に位置し,広島県北~島根県南~岡山県北を広くカバーします。地域医療・救急医療・2-2.5次医療のまっただ中で,質量とも豊富な症例を経験しながら,プライマリケアのみならず専門科領域の臨床能力をも自然に身に付けることができます。
【療養環境】 10対1看護
【機関指定(主なもの)】
厚生労働省臨床研修指定病院 救急告示病院 災害拠点病院 地域がん診療連携拠点病院
地域医療支援病院 へき地医療拠点病院 地域週産期母子医療センター 小児救急医療拠点病院
医療人の育成は当院の基本方針です。
プログラム紹介
研修内容等のプログラムの詳細は『ふるさとドクターネット広島』をご覧ください。
Ⅳ研修体制
身分 :正規職員
当直 :有 1~2回/月
宿舎 :有(病院敷地内医師住宅or院外病院借上)
休暇 :有 有給休暇に加えて、夏休暇(3日)、リフレッシュ休暇(2日)
学会、研修会 : 全額補助、海外学会への参加助成有り
給与 :年額 1,100万円~(賞与、諸手当含む)
研修日 :無
医師サポート体制
医療クラーク配置 : 有 短時間勤務制度 : 有 ( 適宜対応) 育児支援事業 :有
院内保育実施 : 有 職場復帰支援事業 : 適宜対応
Ⅴ後期臨床研修医の募集
随時募集をしています。
※病院見学も随時実施しています。
お気軽に,本ホームページ「見学情報」から申し込まれるかお電話(0824-65-0101)ください。
募集要項
1.募集定員 | 若干名 |
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2.対象者 | 地域医療を担うためのプライマリ・ケアの知識と技能の習得を目指す初期臨床研修(2年間)を終了した医師、または終了予定者。年齢やキャリアに制限はありません。子育て後の再チャレンジ医師も大歓迎です。 |
3.募集期間 | 随時募集しています。 ※詳細については、下記の「担当窓口」に問合せください。 |
4.総合窓口 | 〒731-0293 広島市安佐北区可部南2-1-1 TEL:082-815-5211 FAX:082-814-1791 広島市立安佐市民病院 秘書室 (E‐mail:secre@asa-hosp.city.hiroshima.jp) |
5.研修期間 | 原則3年間ですが,事情により研修期間の変更も可能です。 |
6.研修終了後のキャリアアップ・キャリアプラン | 当研修ネットは、「日本内科学会認定総合内科専門医」や「日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医」の取得などのキャリアアップを総合的に支援します。キャリアプランに関しては、研修終了後に当研修ネットに参加している病院への就職、広島大学等の医局への入局、その他の転出先につき研修医の希望に沿うよう親身になって全力でサポートいたします。 |
7.キャリアアップサポート体制 | 南斗六星研修ネットひろしま参加病院 (財)広島県地域保健医療推進機構 広島大学医学部地域医療システム学講座 広島大学病院 総合内科・総合診療科 |
8.当院の申込み・お問合せ先 | 〒728-8502 広島県三次市東酒屋町10531番地 市立三次中央病院 病院企画課 担当窓口 病院企画課 病院企画係 TEL 0824‐65‐0101 FAX 0824‐65‐0150 E‐mail byouinkikaku@city.miyoshi.hiroshima.jp |