薬剤科【部門紹介】 Department introduction

各部門紹介

調剤室部門

■調剤業務

処方箋をもとに薬を取りそろえ鑑査します。その過程において処方チェックシステムを活用し、薬が用量も含めて妥当であるか、併用薬と問題ないか(アレルギー、重複投与、相互作用)など確認した上で、交付します。
また、入院処方は患者さんの内服間違いを防ぐため、完全一包化システムを導入しています。

■薬剤鑑別業務

入院予定の患者さんがスムーズに入院できるよう外来で事前面談を行っています。現在服用中の薬を鑑別し、薬剤名、用法用量をはじめ、当院採用および代替薬の有無、薬効について持参薬報告書を作成し、院内スタッフに情報提供を行っています。
また、緊急入院となった患者さんの持参薬についても薬剤鑑別業務を行っています。

■外来患者さんへの服薬指導

外来患者さんへ服薬指導を行っています。その中には、インスリンなどの糖尿病治療やリウマチ治療で用いられる注射薬の使用・管理について自己注射の指導があります。また、外来で医療用麻薬など厳重な管理を必要とする薬剤の服薬指導も行っています。

■製剤業務

診断・治療において市販されていない薬や、市販薬とは異なる剤形が必要な場合、薬剤科で製剤を行っています。

注射薬部門

■注射薬調剤業務

処方箋をもとに薬を取りそろえ鑑査します。注射薬も調剤室同様、処方チェックシステムを活用しています。注射薬は投与量の他に投与速度、投与経路、配合変化など内服薬にはないチェック項目があります。必要に応じて医師に疑義紹介し、適正使用に努めています。
2029年度予定の新病院開院にあわせて、注射薬自動払出機の導入を検討中です。当機械を用いることにより業務の効率化を図るだけでなく、薬の取り間違いを防ぎ医療安全にもつながることが期待できます。

■がん化学療法業務

注射薬を用いたがん化学療法は、新規薬剤の採用や血液内科の新設もあり2024年3月末の登録レジメン数は666件となりました。また、年間件数は外来・入院含めて、2021年は3,688件(月平均307件)、2022年は4,492件(同378件)、2023年は5,140件(同428件)と増加傾向です。

がん化学療法業務は次の通りです。

1.「抗がん剤事前チェック」

抗がん剤はがん化学療法委員会で承認された抗がん剤レジメンのもと、使用薬剤、投与量および投与間隔について全ての患者さんについて確認し、投与前日に患者さんごとに抗がん剤を取り揃えています。
また、B型肝炎ウイルス再活性化対策として、必要な検査を薬剤師がチェックし、未実施の場合は、プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)により必要な検査オーダーの代行も行っています。

2.「当日チェックと患者説明」

抗がん剤投与当日は、患者さんの検査データや状態などが投与基準を満たしているか確認します。
外来化学療法センターで抗がん剤治療を受けられる患者さんに対しては、投与スケジュール、想定される副作用の初期症状や発現時期など日常生活での注意点について説明を行っています。
また、医師・看護師・管理栄養士といった他職種と連携し、必要に応じて処方や検査を提案しています。

3.「抗がん剤調製」

抗がん剤調製は安全キャビネットを用いて行っています。TQM活動を通じて2023年9月より閉鎖式接続器具(CSTD)を使用可能な抗がん剤全てに導入し、曝露対策に努めています。これにより、抗がん剤による環境曝露のリスクが大幅に軽減しています。

病棟部門

薬剤管理指導を通じて、持参薬確認、処方チェック、服薬指導、他職種からの相談応需、患者さんの症状に応じた処方提案などを行っています。
入院中だけでなく、退院後も薬物治療が適切に継続されるよう、自己注射、吸入薬および点眼の方法についても、導入時に患者指導を行っています。

医薬品情報(DI)業務・管理業務

DI業務では、医薬品が安全かつ適切に使用されるよう、情報を収集・評価し、医師、看護師などの医療スタッフに情報提供を行っています。
また、医薬品管理業務では、薬剤科内だけでなく病棟、外来部門および手術室に配置されている医薬品の在庫、有効期限などの管理を行っています。医療経済面からジェネリック医薬品の採用(後発品使用数量比率87.97% 2024年7月現在)、冷所保管の一部医薬品にはキュービックスシステム(自動発注システム付冷蔵庫)を2024年2月から導入しています。