診療科・部門

掲載日 : 2017年07月07日

診療科 <循環器内科>

概要・特色

当院循環器内科は、急性心筋梗塞や急性心不全、重症不整脈疾患などの緊急症例に対して急性期の予後改善を目指して迅速な治療や処置を行うとともに、安定狭心症、慢性心不全、高血圧、心房細動など多数の慢性疾患に対しても長期予後改善、生活の質改善などを目標に診療しています。
当院では開心術、大血管に対する手術、カテーテルによる不整脈治療(アブレーション)などはできませんが、主に広島市内の治療施行な施設と緊密な関係をもって、これらが必要な患者様を最善の施設にご紹介しています。
 

対象疾患

急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)

急性心筋梗塞は心臓を構成する心筋細胞に血液を送る冠動脈が動脈硬化性変化を起こしたために急激に閉塞してしまい、心筋細胞が壊死(細胞が死んでしまうこと)してしまった状態です。壊死を起こした心筋の範囲によって重症度は変わりますが、平均すると約25%が死亡してしまうとされています。
またその中の半分は突然死であり病院に到着する前に死亡してしまいます。また病院到着後も適切な治療を受けなければ死亡率は10~15%もあると言われています。さらに心筋梗塞を発症後は心不全重篤な不整脈心破裂などの重い合併症も起こりえます。

不安定狭心症は動脈硬化が基礎となり急激に冠動脈の狭窄が進行している病態であり、血管内で生じている現象は急性心筋梗塞とほとんど同じであると考えられる様になりました。
ただし不安定狭心症ではかろうじて血流が維持されており心筋壊死が生じていないだけです。
このため適切な治療が行われなければ高頻度に心筋梗塞に移行してしまうと考えられています。以上の様なことから最近は急性心筋梗塞と不安定狭心症を合わせて急性冠症候群とまとめて呼ぶようになってきました。

急性冠症候群では冠動脈に高度狭窄や閉塞が生じているので、緊急の冠動脈造影を行い詰まった(詰まりかけた)血管を探し出した後、血管を拡張して血流を再開させるということが根本的な治療になります。
急性冠症候群においては、治療の確実性、安全性、身体への負担が軽いこと、治療開始から遂行までの時間が短いことなどから一般的にカテーテルによる治療が第一選択になります。
また病態によっては心臓のポンプ機能を助け、心不全を改善させ、さらに冠動脈への血流を増やすために大動脈内バルーンポンプという器具を使ったり、一時的なペースメーカーを使用したり、まれには経皮経管心肺補助装置(PCPS)という短期間の人工心肺装置を使用することもあります。
 

安定狭心症(動脈硬化性狭心症、冠攣縮性狭心症)

急性冠症候群の様な急激な症状はなくても、冠動脈が細くなり(狭窄)心筋に運ばれる血液量が減ると、労作時に胸に(上半身に)重く圧迫される様な苦しい痛みを感じるようになります。
多くの狭心症は動脈硬化が原因で狭窄を生じていますが、まれに一時的な血管の収縮(れん縮)が原因となっていることがあります。安定狭心症は緊急疾患ではないので一般にはまず外来で血液検査、心エコー、運動負荷テストなどを行っていきます。

また最近はCTでも冠動脈を評価することができるようになりましたので、外来で冠動脈CTをとって狭窄部位や動脈硬化の強い部位があるかどうかを調べることも多くなりました。 ただし今のところ最終的な診断には冠動脈造影を行っています。 また冠動脈造影であれば動脈硬化だけでなく、冠攣縮の誘発検査も可能であり、しっかりとした診断をつけることが可能です。

治療は、内服薬、カテーテルによる治療、冠動脈バイパス術などがあります。 緊急疾患ではないので、しっかり診断をつけた後、各治療の利点や欠点も含めて十分に検討説明をさせてもらってから患者様といっしょに治療方針を決めています。
 

閉塞性動脈硬化症

動脈は全身に張り巡らされているので動脈硬化は全身のどこにでも起こります。
特に下肢の動脈に狭窄が生じた場合には、歩行時に脚がいたくなり休まなければならなくなるという間欠性跛行が生じます。
また重症になると、安静時にも痛みを感じたり足先の傷が治らなかったり壊死に陥ったりします。
これらが閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)です。

診断は症状上腕の血圧とふくらはぎの血圧を同時測定してその比を求める方法、CT、血管造影などで行います。
治療は一般にまず薬物+運動療法を行い、症状が取れない場合にカテーテル治療あるいは手術によるバイパス術を考慮しますが、安静時に痛みがあるまたは傷が治らない、壊死に陥りつつあるという場合には重症下肢虚血とよび、下肢の切断の危険も高いことからカテーテルによる血管形成術や手術によるバイパス術を急いで行うこともあります。
 

徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)

正常な心臓ではある部分から自発的に電気信号を出し、これが心臓全体に伝わることにより規則ただしく収縮しています。このしくみに異常が生じて収縮回数が非常に少なくなったか時々停止してしまう状態の不整脈が徐脈性不整脈です。

脈が遅いことによる心不全、脳血流低下による意識消失やめまいふらつき、全身の血流低下による強い倦怠感や疲労感、場合によっては全くの心停止や血液が全く送り出せない心室細動の原因にもなります。

高度徐脈の症例に対しては緊急の一次ペースメーカーが必要です。
その後徐脈になっている原因が判明し、その原因を除去できれば危険はなくなります。
明瞭な原因が内場合または心筋の老化により徐脈が生じている場合には永久ペースメーカー移植術を行います。徐脈性不整脈に対してペースメーカー以外に確実で有効な治療法はありません。
 

心房細動

心臓内の血液をためる部屋(心腔)には心房と心室があります。心房は心室に血液を送り込み、心室が収縮して全身に血液を駆出しています。心房も心室も小さな心筋細胞が塊を作って形成しており、有効な収縮にはすべての心筋細胞が協調して興奮収縮する必要があります。
この協調した興奮収縮が心房内の心筋で失われ、個々の心筋がばらばらに収縮しているのが心房細動です。

全身に血液を送る心室の機能は保たれているので、一般に心房細動で急激な生命の危険を生じることはありませんが、心房の助けが無くなる分、血液を駆出する力は低下します。また発症直後は脈拍が多くなることが多く、脈拍もまったくばらばらになってしまいます。
このためめまい、ふらつき、倦怠感、動機、息切れ、などを生じることがあります。また頻脈が続くと心臓への負担が増し、それだけで心室の収縮力も低下してしまう可能性があります。

そして心房細動で最も問題になるのが脳塞栓症(脳梗塞)です。心房内で血液がよどむことにより血栓が生じやすくなります。心臓内は血管内よりも広いので、より大きな血栓ができます。この心臓内でできた血栓があるとき血液の流れに乗って脳に向かう動脈に進んでいき、根元に近い太い血管を急激に詰めてしまうのが心原性脳塞栓です。動脈硬化が原因の脳梗塞に比べて大きな脳梗塞を生じやすくたった一度の発作で介助なしには生活できなくなる場合も多い病気です。

心房細動と診断され、ある程度の危険性が確認されれば、脳塞栓を予防する抗凝固療法を受ける必要があります。心房細動ではこのほかに脈拍が早くなりすぎない様にする薬、心房細動発作を予防する薬、カテーテルで根本的に治療する方法などがあります。どのような治療が必要かまたは最適かは、症状や検査結果、患者様の意向などから判断されます。
 

深部静脈血栓症 肺塞栓症

末梢の組織から心臓に血液を返す静脈に血液の塊(血栓)ができる病気です。
静脈血栓は主に下肢静脈に生じ、その原因(誘因)は血液凝固能異常、脳血管障害やけがなどによる安静、手術後、静脈へのカテーテル挿入、肥満、脱水、静脈の炎症、腫瘍などによる静脈の圧迫などがあります。
時に原因が全くわからない患者様もいます。

静脈に血栓ができると、下肢の腫脹、疼痛、色調の変化などを生じます。
はれが強く動脈まで圧迫すると足の組織が壊死に陥る危険も出てきます。
さらに危険なのは下肢にできた血栓が血液の流れに乗って、心臓までかえって来てしまうことです。静脈から心臓にかえって来た血液はガス交換のために肺に向かいます。
この肺動脈に下肢でできた大きな血栓がはまり込んでしまうのです。この状態を肺血栓塞栓症といいます。

肺の血管はたくさん枝分かれしており、最終的には広い面積を持つので一部が詰まっても症状がほとんど出ないこともありますが、大きな血栓が枝分かれの手前で血管を詰めてしまうと非常に重症で緊急性の高い病態になります。血液が肺に流れないので酸素を取り込めないのはもちろんですが、すべての血液は肺動脈を通ってから全身に流れるので肺動脈が詰まると全身を回る血液が無くなってしまうのです。
このため突然強い呼吸困難 低酸素血症を生じるばかりか急激に血圧が下がったままになったり(心原性ショック)心停止に陥ったりすることがあります。

治療はまず肺塞栓の(再発)予防が重要で、血栓が肺動脈まで流れることを防ぐ下大静脈フィルターの留置、血栓の増加を食い止める抗凝固剤投与、重症例では血栓を溶かす血栓溶解剤投与、カテーテルや手術による血栓除去などが必要になります。超重症例では簡易な心肺補助装置を緊急で使用しなければならない場合もあります。
 

慢性心不全

心臓のポンプ機能が低下し全身に十分な血液を送り出せなくなった状態あるいはうっ血(血液の渋滞)を起こした状態を心不全といいます。すべての心臓病の行き着く先が慢性心不全です。心不全になると 疲れやすくなったり食欲が無くなったり息が苦しくなったり顔や手足が腫れたりとさまざまな症状が出て日常生活に支障を来します。

慢性心不全を持つ患者数は年々増加しており今後も増え続けることが予想されています。心不全に対する治療は日々進歩していますがそれでも慢性心不全になると、その後の死亡率はかなり高くなります。
また入院が必要になることも多くなり、なかには突然の呼吸困難などで緊急入院を繰り返す人もいます。

心不全の治療には、カテーテルやペースメーカーあるいは人工弁などを用いて原因を根本から排除する、うっ血を取り除いたり心臓の働きを保護したりする薬を飲む、必要があれば酸素吸入をしたり睡眠中の呼吸を補助したりする機械を使う、塩分制限を含む適切な食事を摂る、適度な運動を行う、血圧測定や体重測定など適切な管理をする、薬の内服を正しく行っているか確認するなどたくさんのことが必要になってきます。
このため当院では、医療に関わるたくさんの職種が力を合わせて心不全管理治療を行うことに取り組みはじめました。
 

その他

高脂血症(脂質異常症)、糖尿病(耐糖能障害)、高尿酸血症などの動脈硬化危険因子治療を行い、あるいは睡眠時無呼吸などの検査や管理を行うことで心疾患再発予防や将来の心疾患出現予防を目指しています。
また心弁膜症、頻脈性不整脈(心室頻拍、心室細動、発作性上室性頻拍など)、大血管疾患(大動脈瘤、大動脈解離)などについては、緊急処置や病状の評価などを行うとともに、必要があれば最善の治療を受けることができる施設を紹介しています。
 

スタッフ紹介

田中 幸一 (たなか こういち) tanaka_kouichi
診療科 循環器内科 tanaka_kouichi
役職 診療部長
(兼)内科医長
(兼)循環器内科医長
卒業年 昭和63年
専門分野 循環器疾患
資格・認定医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション学会認定医
日本高血圧学会高血圧指導医
日本心臓病学会フェロー
卒後臨床研修指導医養成講習修了者
プログラム責任者養成講習修了者
略歴
市立三次中央病院 内科
広島大学医学部第一内科(循環器グループ)
井野口病院循環器科

田中 玄紀 (たなか はるき) 田中 玄紀
診療科 循環器内科 田中 玄紀
役職 循環器内科医長
卒業年 平成7年
専門分野 心臓カテーテルインターベンション
心臓核医学検査
心臓リハビリテーション
資格・認定医 医学博士
日本内科学会認定内科医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心臓リハビリテーション学会認定指導士
日本心臓核医学会地域別教育研修会受講修了者
身体障害者福祉法(心臓機能障害)指定医師
卒後臨床研修指導医養成講習修了者
核医学画像再構成装置、核医学画像再構成方法、及びプログラムに関する発明について特許取得(第6143533号)
略歴 平成7年:九州大学医学部卒業、以降九州大学病院、北九州市立医療センター、佐賀県立病院好生館勤務
平成23年:広島大学医学部循環器内科入局の後、広島赤十字・原爆病院勤務
平成26年:市立三次中央病院勤務
コメント 生まれも育ちも県北です。県北の皆様に恩返しができるよう精進したいと思います。

小林 賢悟(こばやし けんご) 小林 賢悟
診療科 循環器内科 小林 賢悟
役職 循環器内科医長
卒業年 平成8年
専門分野 内科・循環器内科
資格・認定医 日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本医師会認定産業医
卒後臨床研修指導医養成講習修了者
コメント よろしくお願いします。

三上 慎祐(みかみ しんすけ) 三上 慎祐
診療科 循環器内科 三上 慎祐
役職 循環器内科医長
卒業年 平成14年
専門分野 循環器一般
資格・認定医
医学博士
日本内科学会内科認定医
日本循環器学会認定循環器専門医
認知症サポート医養成研修修了者
備北圏域メディカルコントロール協議会検証医師
卒後臨床研修指導医養成講習修了者
コメント 少しでも皆様の役に立てるように個性を発揮できればと思います。

山路 貴之(やまじ たかゆき) 山路 貴之
診療科 循環器内科 山路 貴之
卒業年 平成24年
専門分野 循環器内科
略歴 平成24年 広島大学卒業
平成24年~26年 広島大学病院にて初期研修
平成26年~28年 広島市民病院 循環器
コメント 県北の医療に少しでも貢献できるよう頑張ります。
よろしくお願いします。

小畠 啓史(こばたけ ひろし) 小畠啓史Drアップ
診療科 循環器内科 小畠啓史Drアップ
卒業年 平成27年
略歴 平成27年 広島大学卒業
平成27年4月 広島大学病院初期研修医
平成28年4月 JA広島総合病院初期研修医
コメント 地域医療に貢献できるよう精進します。

外来担当医一覧

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